「債務整理」に関するQ&A
後払い決済は債務整理できますか?
1 後払い決済も基本的には債務整理は可能
Paidyやメルペイなどの後払い決済の未払い金についても、基本的には債務整理をすることは可能です。
後払い決済は、買い物等をした際、購入時に支払う必要はなく、翌月等にまとめて支払うことができるサービスです。
クレジットカードのショッピング枠の利用と似ていますが、クレジットカードがなくても利用可能という利便性があるため、近年利用する方が増えているように感じられます。
ただし、後払い決済は、サービスを提供している会社が利用者の購入代金等を一時的に立替えるというものですので、見方を変えると借金をしたのと同じであるともいえます。
また、すでに債務の返済で生活費を確保することが難しくなっている方が、手軽さゆえに後払い決済を気軽に利用してしまったり、場合によっては後払い決済で換金性の高い物品を購入して現金化してしまうという事例もあります。
その結果、翌月の後払いができなくなってしまうという事態に陥ってしまうと、債務整理が必要となります。
このような後払い決済の特徴を踏まえ、以下、後払い決済の未払い金の債務整理について具体的に説明します。
2 実際の債務整理について
⑴ 任意整理
任意整理は、後払い決済のサービス会社と個別に交渉し、未払い金の分割返済などを求めていく手法です。
一般的に、後払い決済はクレジットカードのような信用情報の審査をせずに利用できる分、未払い金の取り立ては厳しくなる傾向にあります。
具体的には、クレジットカード会社や消費者金融に比べて、少ない分割回数にしか応じてもらえなかったり、事案によっては任意整理には応じないという回答がなされることもあります。
後払い決済で購入した物品の返還を求められることもありますが、もし使ってしまったり、転売してしまったという場合には、より交渉が不利になることもあります。
⑵ 個人再生
個人再生は裁判所を通じて行う債務整理の手法であり、債務額を大幅に減額できる可能性がある手続きです。
個人再生は原則としてすべての債務を対象としますので、後払い決済の未払い金も個人再生の対象となります。
個人再生の大半を占める小規模個人再生手続きにおいては、債権者数で半数以上、または、債権額で過半数の債権者から不同意の意見が出た場合、再生計画が認可されません。
債権の回収について厳しい方針を取っている後払い決済のサービス会社においては、不同意の意見を出す可能性もあります。
⑶ 自己破産
他にも多額の借金があるなどの事情により、他の債務整理の手法を用いても後払い決済の未払い金の支払いが困難であるという場合には、自己破産を選択することになります。
自己破産もすべての債務を対象とする手続きですので、後払い決済の未払い金も対象となります。
ただし、後払い決済で購入した物品を現金化していた場合には、免責がされなくなる可能性がありますので、注意が必要です。
すでに他の弁護士や司法書士に依頼していてもお願いできますか? 任意整理は必ず弁護士に依頼する必要があるのですか?